
歯の話といっても、虫歯の話ではありません。
人間も含め動物は、食べることで生命を維持しています。
例えば、ライオンは獲物を捕らえて食べる肉食動物です。
また、牛や馬などは草を食べる草食動物です。
そこで人間ですが、皆さんもご存じのように、肉や野菜
そして穀類など、何でも食べる雑食動物です。
哺乳類の歯は、その動物の食べる物と共に、歯も独特の
形に進化してきました。
そこで、人の歯と食べるものとの関係をみてみましょう。
【歯の形】歯の形は食べ物と関係が深く、食べるものに適した形を
しています。
<肉食動物>歯が鋭くとがっていて、肉を割いたり、骨ををかみ砕く
切断機能が発達した構造になっています。(切断歯型)
噛み千切ったら、そのまま飲み込んでしまう。

<草食動物>門歯や臼歯が、うすのように平らで草をすりつぶすの
に適しています。(稜縁歯形)
顎を前後左右に、動かしているのを見たことがありま
せんか。

<雑食動物>門歯・犬歯・臼歯が平均的に発達しています。
前歯は平たくて、はさみのような役割をし、臼歯は臼の
ように、食べ物をすりつぶします。
特に人間の場合は、食物を生でも食べますが、調理や
加工して食べているので、高次雑食性とも呼ばれてい
ます。

【人の歯の場合】人の歯は全部で32本ありますが、その内訳と役割を
みてみましょう。
臼歯 … 20本(62.5%)
門歯 … 8本(25%)
犬歯 … 4本(12.5%)
以上の割合になります。
特徴として「すりつぶす」と「切断」の機能を持って
いますが、切断するという機能よりすりつぶす機能の
方が高くなっています。
臼歯 … 穀類を噛むため
門歯 … 野菜や果物を食べる
犬歯 … 肉や魚を食べる
【歯と食べ物の関係】
動物は、食べる物に合った歯を持っています。
人間の歯を見てわかるように、穀類を食べるための
臼歯が20本で、歯の割合から見ると約63%と一番
数が多くなっています。
野菜や果物を食べるための門歯が8本で、約25%。
肉や魚のための犬歯が4本で、約13%です。
よく、栄養摂取の割合で炭水化物5・野菜類2・肉類1
と言いますが、まさにこの割合と歯の割合が合致して
います。

昔の日本の食事状況をみてみると、お米がメインで魚や
野菜と、この割合に合っているのがわかります。
しかし今は、洋食や外食も増え、糖質を摂らず、肉は
いくらでも食べてよい、などのダイエット情報もあり
食生活そのものが変化しています。
ここで、もう一度人間の歯と食べ物の関係を考え、毎日
の食事を見直すのもよいでしょう。
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