
ダイエットをする場合も、バランスの取れた食事を
しましょう…とよく言いますが、それは何故なのか
考えてみましょう。
私たちが食事をするとは、栄養素を体に取り入れると
言う事ですが、栄養素を体内に摂りいれることで体を
維持し生命活動を維持しています。
正しい食生活を維持するためにも『正しい知識を得て
食事を考える』必要があります。
その栄養素の役割とは…
【栄養素の役割】食事は、食べ物に含まれている体に必要な栄養素を体内
に取り込む行為ですが、栄養素の役割は大きく分けて
3つあります。
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①身体のエネルギー源
(糖質・脂質・タンパク質)
②身体を作る材料
(タンパク質・ミネラル・脂質)
③エネルギー源や栄養素をスムーズに利用し
生理作用を調節する
(タンパク質・ミネラル・ビタミン)………………………………………………………………
①身体のエネルギー源
皆さんも、むかし家庭科で(今は家庭科ってあるかどう
かわかりませんが)習ったのを思い出してみてください。
ちょっと懐かしいですね。
<3大栄養素>
炭水化物
脂質
タンパク質
体のエネルギー源となる栄養素には、炭水化物・脂質
が主で、タンパク質もエネルギーになります。
これを三大栄養素と言います。
◎炭水化物(Carbohydrate)
炭水化物の中で一番身近なものは、主食となる米や
パンそして麺類がなどがあります。
日本人が、食生活でとっているエネルギーの約60%
はここから得ています。
1gあたり4㎉のエネルギーを発生し、過剰に摂り
過ぎた分は、脂肪としてため込まれます。

◎脂質(Fat)
そして もう一つの栄養素が脂質です。
ごま油・大豆油・バター・ラードなど水に溶けない
物質で、魚や肉などの動物性食品、乳製品にも含まれ
ています。
1g当たり9㎉のエネルギーを生じます。
脂肪は水より軽いので、貯蔵に適していますから体の
皮下や腹腔内に蓄積されて、エネルギーをを蓄える
役割もします。
また、脂肪は細胞を作るための材料にもなり、体の
調子を整えるホルモンの材料にもなります。
極端な脂肪を摂らないダイエットは危険である事が
分りますね。
しかし一方で、脂肪は食べるもののおいしさを高め
ますね。
おまけに、少量で高カロリーなため、必要以上に摂取
しやすいので、摂り過ぎによる肥満の原因にもなり
ます。

②身体を作る材料
◎タンパク質(Protein)
タンパク質は、筋肉・皮膚など体の様々な組織を作る
栄養素で、英語ではプロテインといいます。
皆さんも、プロテインって聞いたことありますよね。
タンパク質はアミノ酸に分解され、吸収されて最終的
に組成成分に合成されます。
1.筋肉・内臓・皮膚・髪など身体の組織をつくる
2.代謝に必要な酵素をつくる
3.免疫をつくる
4.その他
摂りすぎたタンパク質は、肝臓で分解されエネルギー
源になります。
反対に、極端なダイエットを続けると筋肉が分解され
筋肉組織が減ってしまう事になります。
運動をしても、タンパク質が足りないと筋肉組織が
発達しないわけです。

③エネルギー源や栄養素をスムーズに利用する
<5大栄養素>
炭水化物
脂質
タンパク質
ビタミン
ミネラル
3大栄養素に、ビタミンとミネラルを加えて5大栄養素
と言います。

◎ビタミン
ビタミンは、エネルギーや身体の組織をつくる成分
ではなく、とり入れた栄養素をスムーズに化学反応
させるために必要な有機物質で、ビタミン、ミネラル
がこれにあたります。
日本人のビタミン摂取を見てみると、ビタミンA・B1
B2が不足していて、20代の若者に不足が、多くみら
れるそうです。
摂りいれた栄養素が、筋肉になったり、うまく消費
されたりと良いサイクルを作るためのものですから
欠乏すると様々な不調が生じます。
ビタミンには、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンが
あり、脂溶性ビタミンは、摂りすぎると肝臓などに
蓄積し問題になる事があります。
特に、健康意識の高まりからサプリメントなどで過剰
摂取になりやすいことも問題です。
<脂溶性ビタミン>
ビタミンA(鶏レバー・ウナギかば焼き・ほうれん草)
ビタミンD(鮭・イワシ丸干し・サンマ・鮟肝)
ビタミンE(アーモンド・ヒマワリの種)
ビタミンK(納豆・モロヘイヤ・トウミョウ)
<水溶性ビタミン>
ビタミンB1(豚ヒレ・ウナギのかば焼き・ハム)
ビタミンB2(レバー・乳製品・卵黄・納豆・魚類)
ビタミンB6(レバー・マグロ赤身)
ビタミンB12(レバー・魚介類)
ナイアシン (カツオ・タラコ・サバ・豚レバー)
パントテン酸(ほとんどの食品に含まれています)
ビオチン (鶏レバー・ナッツ・海藻・卵黄)
ビタミンC( 緑黄色野菜や果物)
葉酸(鶏レバー・菜の花・モロヘイヤ・ブロッコリー)
◎ミネラル
カルシウム・リン・マグネシウムなどのミネラルは
骨や歯などをつくります。
その他は、体液の恒常性、筋肉の収縮や神経伝達に
かかわります。
日本人の摂取量を見ると、カルシウムが不足していて
食塩は、適正より多く減塩が言われています。
<主要ミネラル>
カルシウム (小魚・干しエビ・乳製品・海藻類)
リン (肉や魚・大豆)
マグネシウム(大豆製品・玄米・アーモンド)
ナトリウム (漬物・調味料・即席めん)
カリウム (いも類・アボガド・バナナ)

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【食事による正しいダイエット】
バランスの取れた食生活は、適正体重の維持につながり
ます。
誰かが言っていましたが『人間の身体は、食べたもの
でできている』
私の身体は、お菓子ででできていますなんて、笑い話
にしかなりませんね。
自分自身の食事内容の見直しや、身体を動かす習慣を
つけることで、適正体重を維持しましょう。
上の図にもあるように、厚生労働省が発表している
『エネルギー産生栄養素バランス』があります。
これによると、18歳~69歳(男女共通)での栄養素
バランスの数字が出ています。
◎タンパク質 … 16.5%
◎脂質 ……… 25%
◎炭水化物 … 57.5%
また、皆さんに当てはまる、年齢による推定エネルギー
必要量(Kcal/日)でみてみましょう。
活動レベルは普通としています。
30~49(歳) 2,650(男性) 2,000(女性)
50~69(歳) 2,450(男性) 1,900(女性)
この数字から、例えば40歳女性の場合の摂るべき数値を
計算してみると…
タンパク質 2,000㎉×16.5%=330㎉
脂質 2,000㎉×25%=500㎉
炭水化物 2,000㎉×57.5%=1,150㎉
また3大栄養素のエネルギー量を見てみると…
(1グラム当たり)
タンパク質 4㎉
脂質 9㎉
炭水化物 4㎉
ですから、この数字に当てはめてみると…
タンパク質 330㎉÷4㎉=82.5g
脂質 500㎉÷9㎉=55.6g
炭水化物 1,150㎉÷4㎉=287.5g
となります。
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食事を摂る場合、考えないといけないのが、自分が何を
食べているのか、どのくらい食べているのかを知ること
ではないでしょうか。
栄養素には 炭水化物・脂肪・タンパク質・ビタミン
ミネラルがあります。
これらがバランスよく体にとり入れられることで、体の
エネルギーとなり、体を作り、体の働きを維持します。
栄養バランスが悪いと、脂肪の燃焼もスムーズにいき
ません。
また 糖質、脂質、タンパク質は エネルギーになるが
摂りすぎた分は、体内で脂肪となり蓄えられます。
つまり、バランスが取れた食事とは、各栄養素を適量に
(過不足無く)摂る必要がある訳です。
基本の栄養素を考えながら、減らすべきは何か、足りて
いない栄養素は何かを考えて、ダイエットや筋肉量の
アップに役立てていきましょう。